「奇跡のオイル」と呼ばれるギー。
健康に良いと聞いたことはあるけれど、実際にどんな効果があるの?バターとどう違うの?と思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、ギーとはどんなものなのか、バターとの違いや栄養素、ギーの効果や使い方、レシピなどをご紹介します!
ギーの健康効果や効能とは?どんな味や香り?
ギーとは、無塩バターを加熱してタンパク質や水分、糖分などの不純物を取り除いて作った純度の高いオイルのこと。
ほぼ100%が脂質と高純度なので、タンパク質の変性がなく、バターよりも腐りにくくなっています。
昔からインドなどの南アジアを中心として使用され、現在ではモデルやセレブ、健康意識が高い人など、世界中で使う人が増えています。
ギーとバターの違い
確かにギーはバターから作るので、違いがよくわからないという人も多いかもしれません。
ですがギーとバターは、成分や効果(体に与える影響)などが大きく異なります。
一言で違いをいうと、バターから腐る原因となる成分を取ったものがギーです。
なのでギーは体の中に入ってからも腐りにくいため、体の不調を招く毒素(アーマ)になりにくい。
つまり体にとって良質なオイルなのです。
ギーが持つ栄養
ギーには10種類以上の脂質がバランスよく含まれています。
脂質は特定の種類だけを多く摂取しすぎると、肥満や動脈硬化、循環器疾患などの重大な病気を招く原因になることも。
ギーには飽和脂肪酸、オレイン酸、α-リノレン酸(n-3系脂肪酸・オメガ3)、リノール酸(n-6系脂肪酸・オメガ6)などの脂質が多すぎず少なすぎず、バランス良く揃っています。
また、ビタミンA(カロテン)、ビタミンD、ビタミンEといった脂溶性ビタミンも豊富に含まれています。
腸内環境を整えてくれる酪酸(プチル酸)という成分も豊富なので、便秘解消やデトックス、消化力の向上もサポートしてくれます。
さらに、乳糖に対する耐性がない人でも摂取が可能。
日本で乳製品が一般的に食べられるようになったのは明治時代からなので、乳糖に耐性がある日本人は20%ほどしかいないといわれています。
その点、ギーは乳糖(ラクトース)やカゼインが取り除かれているので、乳糖不耐症の方でも摂ることができるといわれているのです。
アーユルヴェーダから見たギーの効果
アーユルヴェーダではギーが体に与える効果は1,000以上もあるとされています。
全部は書ききれませんが、現代人の生活に大きな影響を与えてくれそうなギーの効果は下記のようなものです。
- 免疫力アップ
- 良質なエネルギー補給
- 消化機能アップ
- 便通改善
- ダイエット
- デトックス
- 肌のツヤやうるおいがアップ
- 不眠症改善
- 目の不調改善
ギーの作り方
ネットでは市販のギーもたくさん販売されていますが、お高いので毎日使うのはちょっと…と思う方もいるかもしれません。
私はそう思います。(笑)
なので、いつも無塩バターを買ってきて自分でギーを作るようにしています。
個人的な感想ですが、市販のギーを買う半額くらいの価格で簡単に作れますよ。
準備するもの
- 無塩バター 400g
- 焦げにくい鍋
- 耐熱の保存瓶
- ザル
- 厚手のキッチンペーパー 2~3枚
作り方
- バターは溶けやすいよう3~4等分に切る
- 鍋に入れて弱火にかける
- 20~30分ほどで黄金色のギーが出来上がり!
- 火を消して粗熱をとったら、ザルの上にキッチンペーパーを重ね、漉して瓶に移す
作り方のワンポイントアドバイス
<左:白いもやもやがたくさん出ています 右:もやもやが減ってきて黄金色に>
バターを火にかけてすぐは細かい泡が出て白いもやもやっとしたものが浮かんできます。
ですが、10分くらいしたら泡が大きくなりもやもやしたものも減ってきます。
全体的にスッキリとした黄金色になり、底のほうが少し茶色くなってきたら完成の合図!
ギーの香りはほぼ無臭なので、香ばしい香りがしたら火にかけすぎかもしれません。
バターの量が多いほうが焦げにくいので、できれば200gのバターを2個以上使って作るのがおすすめです。
ギーの使い方やレシピ
ギーは発煙点が高いので揚げ物や炒め物にも使いやすいオイルです。
バターやオリーブオイルの発煙点は約180℃、エキストラバージンオリーブオイルは約160℃なのに対して、ギーの発煙点は約250℃。
比べてみると一目瞭然ですね。
インド料理の炒め物のレシピや、そのまま塗ったり飲み物に入れる使い方などをご紹介します。
ギーを使った炒め物のレシピ
ギーやスパイスを使った炒め物が「サブジ」。
さまざまなスパイスや野菜を組み合わせることでその種類は多様で、インドの各家庭によってレシピも異なるといいます。
私のおすすめは、新鮮なアスパラのシャキシャキ感とじゃがいもの優しいホクホク感を一口で味わえる「アスパラとじゃがいもとピーマンのサブジ」!
最後にレモン汁やパクチーをお好みで加えれば、さっぱりした後味でハマります。
材料やレシピはこちらもご覧ください。
和食とも相性抜群
和食の代表的な調味料・醤油とも相性ばっちりなギー。
卵かけご飯に醬油とギーを垂らしたり、和風醤油パスタに入れたり、炊き込みご飯に混ぜたり、煮物に入れたり。
普段の料理に気軽にプラスしてみてください。
トマトを使った料理にも合わせたい
ピザソース、トマトパスタ、ラタトゥイユなどのトマト煮込み料理、あらゆるトマト料理にもギーが合います。
素材の風味を際立たせてくれるので、いつもの料理がワンランクアップする感じがします。
そのまま塗る
ギーは焼きたてのパンや焼き芋、あたためた干し芋などに塗って食べても美味しいです。
特にパンは乾燥して消化に重い性質を持つので、うるおいを与えてくれるギーと一緒に食べることでバランスが取れ、パンによる便秘や詰まりを予防できます。
ギーの豊かな香りと素材の味を邪魔しない優しい風味がプラスされ、さらにおいしく食べられますよ。
飲み物に入れる
コーヒーや紅茶、ホットミルクなどに少し入れてもいいですね。
豊かな風味がちょっと高級感を感じさせるドリンクに早変わりさせてくれます。
スキンケアやヘアケアにも
ギーは美味しいだけでなく、フェイスパックや髪の保湿ケアなど、美容面でも役に立ちます。
肌に塗るものは肌から血管、内臓と体の奥へ浸透し、食べるもの以上に直接体の状態に影響します。
ギーを直接肌に塗ることで肌にうるおいを与えて乾燥を防ぎ、シワやシミを改善してくれます。
ニキビや火傷のケアにも効果的。
唇が荒れやすい人はリップクリームとして使うのもおすすめです!
マッサージオイルとして肌に塗る
ギーをマッサージオイルとして使えばスペシャルケアに。
むくみを取ってすっきりした体になります。
特に足裏はアーユルヴェーダでは脳と直接つながっているといわれている部分なので、寝る前に足裏をギーでオイルマッサージすると脳の疲れを取ることができ、寝つきや眠りの質を上げてくれますよ。