5000年以上前から人々の体と心の健康を守ってきたアーユルヴェーダ。
女性の生理についてもしっかりと考え方やトラブルへの対処法が記されています。
生理のつらい症状に耐えている方もいるかもしれませんが、実は今月の生理期間をどう過ごすかで、次の生理のつらさが変わるんです!
とはいえ、とにかく今のつらさを軽くしたいということもありますよね。
今回はこんなことについて紹介していきます。
- アーユルヴェーダの観点からみた生理はどんな存在なのか
- 生理中のおすすめの過ごし方
- 次の生理に向けた体の整え方
- 今の生理の症状を改善したいときの対処法
1つずつ見ていきましょう。
アーユルヴェーダで生理はどういう存在?
アーユルヴェーダの考えでは、生理は女性の体を浄化して守るものとされています。
12歳から16歳ごろの女の子に最初の生理を迎えることは、花の芽が開花するようなもの。
乳房や子宮が発達し、ウエスト周りが少しずつ大きくなるなど、女性らしく美しい体になっていくプロセスです。
生理中は体から妊娠しなかった子宮内膜を排出するだけでなく、毒素や老廃物も洗い流します。
月に1回訪れる、女性の重要な浄化・デトックスの期間なのです。
生理のつらい症状を引き起こす原因
生理期間中には、どんな体質(ドーシャ)の女性でもヴァータ(風のエネルギー)が上がるとされています。
このヴァ―タの乱れが強いと、つらい生理痛やPMS、頭痛、めまい、月経不順など、さまざまなトラブルが起きてしまうのです。
また、生理の状態にはその月に食べたものや生活習慣の結果が出るともいわれています。
食事を抜いたり、外食や冷凍食品といった食事が多かったり、睡眠時間にばらつきがあったりと、ヴァ―タを乱すようなことが多いと、その月の生理のいろんな症状として出てくるのです。
まるで通知表みたいですね。
生理中はヴァ―タを優しく落ち着かせることを意識することが大切です。
ヴァ―タを整える具体的な方法は、このコラムの後半で詳しくお伝えしますね。
体が整うと生理はこうなる!
ドーシャを整えられるような生活を送っていると、次の生理が変わります。
体が整った状態で迎える生理は、例えばこんな感じ。
- 生理痛やだるさ、むくみを感ず普段通り過ごせる
- 3~4日で終わる
- 経血の色が黒っぽくない
- 新月や満月など月の満ち欠けに合わせて生理になる
自分の生理と比べてどうでしょうか?
ちなみに私は、いつもは6~7日目も少量の黒っぽい経血が続いて1週間ナプキンが取れない状態が続きます。
これから整っていくのが楽しみです!
アーユルヴェーダの生理中の過ごし方
アーユルヴェーダでは、生理で経血が出ることを、怪我をして血が出ることと同じと考えます。
怪我をしたときは無理に動こうとせずに安静にするのと同じで、生理中は安らかに過ごせるようにしましょう。
昔のインドの女性は生理中に料理を作るのも禁止になるほど、安静にすることが大切だと考えられてきました。
そんな生理中におすすめの食事や、入浴・洗髪、仕事や行動量などについて、ご紹介していきます。
生理中におすすめできないこともあるので、確認してみてくださいね。
生理中におすすめの食べ物や食事は?
生理中は消化力が落ちるため、いつもよりも「あたたかい」食事を意識しましょう。
野菜のスープやお粥など、消化に良くあたたかい食事を食べ、白湯やハーブティー、ホットミルクを飲むのがおすすめです。
揚げ物や肉など消化が遅く重い食べ物や、チーズ、ヨーグルト、冷凍食品などの冷たい料理、アルコール、カフェインは避けるのがおすすめ。
チョコレートや精製小麦など、ヴァ―タを上げてバランスを乱す食べ物も控えめにしたほうがいいでしょう。
「少食」にするのも大切です。
特に夕食の量は少なめにして、寝る前までに食べ物を消化しきれるような食事を意識してくださいね。
生理3日目までの洗髪は控える
アーユルヴェーダでは、生理初日の3日間は髪を洗わないほうがいいとされています。
頭部に触れるとヴァータが乱れるので、冷えやすくなってしまいます。
シャワーや入浴も控えるのがおすすめです。
生理中に入浴すると経血が増加するといわれます。
どうしても体を洗う必要があるときなどは、シャワーをサッと浴びる程度で済ませるのがいいでしょう。
忙しくしない、働きすぎない
生理中はゆっくり休むことが大切。
普段がんばって長い時間働いている人も、仕事の量を減らすよう調整したり、早く帰れるよう工夫して、根を詰めて働かないようにしましょう。
また、心や体への刺激を与えすぎないことも大切です。
生理中に激しい運動をしたり、大声で笑ったり、うるさい環境や風が強い場所にいることなども、次の生理に影響してきます。
考えすぎたり心配しすぎたりすることも避けて、ポジティブな考えを持つようにしてください。
予定を入れすぎず、なるべく穏やかに、ゆっくり過ごすことを心がけましょう。
昼寝をしない
アーユルヴェーダでは昼寝はNG。
血液や循環機能が停滞してしまうとされているので、生理中は特に避けたほうが良いです。
どうしても眠いときには、寝転ぶのではなくソファに座って頭を預け、目を開けて軽く休む程度にしておきましょう。
生理中にアーユルヴェーダのマッサージ施術は受けてもいい?
生理中はオイルマッサージは控えたほうが良いです。
家でセルフケアで行うアビアンガも、サロンで受けるマッサージ施術もやめておきましょう。
マッサージサロンによっては生理中でも施術OKというところもありますが、アーユルヴェーダでは生理の3日目まではすべてのトリートメントは施術できません。
なぜなら、生理中は自然の浄化期間だから。
生理中は体を浄化に集中させてあげることが大切です。
通常であればマッサージのオイルはうるおいとして体に浸透・吸収されていきますが、生理中は浄化しようとする働きと、オイルを吸収しようとする働きが同時に起こり、体に負担をかけることになってしまいます。
生理中はオイルマッサージ以外にも、ナシャやカルナプルナなど、普段自分でオイルケアをしている人はお休みしてくださいね。
出血の状態次第ですが、ピークが終わる4日目以降からはオイルマッサージをしても大丈夫!
セルフアビアンガも再開してください。
生理は自然の浄化期間。ポジティブに穏やかに体の声を聞こう
アーユルヴェーダでは、生理は女性の体を浄化して守るものとされています。
ヴァ―タが乱れやすい期間なので、穏やかにポジティブに過ごせるようにしましょう。
生理中の食事はあたたかいものを食べ過ぎないよう少食にして食べ、髪の毛を洗ったり入浴するのは避けるのがおすすめ。
なるべく忙しくならないように調整し、昼寝やオイルマッサージも控えましょう。
体が整ってくると、生理は3~4日で終わり、生理痛やだるさ、むくみを感ず普段通り過ごせるようになります。
生理中もそれ以外のときも、生活習慣を整えて自分をいたわってあげてくださいね。